ショコラノアール~運命の恋~
「なお君こっち2階が私の部屋なの」


「いいの?あの人怒ってるみたいだったけど」


「ごめん、気分悪くさせて、

 でもね、あいつのことも含めて、

 なお君には全部知ってほしいの。


 色んな事。


 今一番大切なのは、

 隠すことなく私のことなお君に話すことだって。


 何も聞かないで、ずっと待っててくれたんだもの」



2階に上がって、

一番奥の部屋が彼女の部屋らしい。


襖戸なのがレトロだ。


ドキドキする。


女の子の部屋なんて、はっきり言って初めてだし、

彼女らしい子なんて高校の時失恋した彼女だけだし。



部屋に招かれるなんて雰囲気にさえならなかった。


だからか、

あんな簡単に振られちゃうんだろうな。



忘れたくても忘れられない喪失感……





====



浮かれて会いに行った時に投げられた


あの日の言葉


別れの言葉。


「ごめん。やっぱりじぶんに嘘はつけないの。


宮君には男としての魅力感じないんだもの」


「え?」


「前から気になる先輩に本命チョコ渡したら、

 OK貰っちゃった。


 私たち別れよう」



……絶句の末の撃沈。





『宮君には男として魅力感じないんだもの』




それはトラウマのごとく俺の心落とし込む。






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