ショコラノアール~運命の恋~
「ここだ」
そういって案内されたのは、
昭和臭ムンムンのレトロな一戸建て。
「ただいま」
サザエさんさながら、
木製の硝子引き戸を音を立ててがらがらっと開けて、玄関に入る。
「お邪魔します……!」
ノムさんの後ろから入った瞬間絶句した。
「いらっしゃいませお客さま。
おかえりなさいませ八起さん」
ウサ耳メイド服で三指ついてお出迎えって、ありなんですか?
俺が目を白黒させていると、くくくっと笑うノムさん。
「気にするな、こいつの趣味だから
音々、彼は宮くん。
楡の常連客」
「まあ、楡の、
はじめまして野村音々です」
駄目だ視線がどうしてもうさ耳に行ってしまう。
趣味ってどういうことですか?
教えてください~!!
と、叫びだしたい気分だった。