ショコラノアール~運命の恋~
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「ぐぇっ……おぇえーっ……」


不快な朝、

二日酔いとはこんなに辛いものなのか、

ある程度自生して飲んでいた俺は、

今までかつて経験したことのない頭の痛みと、胃のむかつき感に襲われている。

しかも、人のお宅のトイレで。


「うっ」


又来た!


ザアアアッーー


もう吐く物もないだろうってくらい吐き出し、

よろよろしながら、

トイレのドアを開けると、

「おわっ!」


「大丈夫ですか?」

ドアの前にノムさんの奥さんが、

正座していた。


「は、はあなんとか。

 あの、ノムさんは?」


「主人はもう出勤しました。

 看病するようにいいつかりましたので、

 ここでお待ちしてました」


ここは江戸時代ですか?時代劇に出てきそうだ。



『不幸のデパートみたいな……』

そうかこの人、すごい境遇な人だって、

昨日ノムさんが言ってた。


「お食事召し上がりますか?」

「え?」

まさか昨日のシチューとかカレーとかこってりした……うっ、まじ無理。


思い出しただけでこみ上げてくる。


口を押さえてごくりと生唾を飲み込む。


「今朝、八起さんが食べさせてやれって、お粥作って行きましたので、

 召し上がられますか?」













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