ショコラノアール~運命の恋~
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「しのちゃん?」


「え?」


「種類めちゃくちゃに並べてるのは、わざと?」


「ひゃ……、ごめんなさいごめんなさい。

 あ~っ」

バサバサッ


「大変っ、あ、だめだよ、落ちたバスケットはこのまま使えないよ」


「あ、そ、そうね」


「しのちゃん、ここはいいから、

 その落ちたバスケット、洗浄して滅菌庫のと交換してきて」


「あ、うん、ごめんなさい」

朝作った大量の焼き菓子を個包装して、かごに並べる作業。

こんな簡単な仕事さえまともにできないなんて、

情けない。


「お菓子が落ちたの……でなくてよかった」


落ちたかごをシンクの洗浄液につけて、


滅菌乾燥庫から乾燥済みのかごを取り出す。

「プライベートの気持ちもちこんじゃ駄目だな」


大きく深呼吸して、

かごを抱えた。



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