ショコラノアール~運命の恋~
「待ってって!」

「追いかけて来ないで!」


「同じ家に帰るんだから、

別なのも変だろ?

そもそも、お前迎えに来たんだし。」



「頼んでないっていってるじゃない」


「詩信のこと頼むって、

おじさんに頼まれたし、


今日から3日間

出張だって言ってただろ?」


「だからといって迎えになんて来ないで、

子供じゃないんだし……

えっ?

本当?


あ、ほんとだ」

あわててメールを確認して、

衝撃を受けた。


私たち親子はお互い距離感を持ちながら、生活している。

よくいえば、自主性に任せ

ある意味放任。

大人なのだからそれが楽でいいには違いない。


夕食が必要かどうかをメールにいれる。

それだけ。


お姉ちゃんが結婚してからずっとそんな感じ。


「パパ……」

だけど、まさかパパは忘れているのだろうか。

何年も前からずっとずっと、不安に思いながら、

それでも、

知らなくてはいけないことだから、

この日は

私のなかで重要な位置付けだったのに



明後日


それは、私の20の誕生日。



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