ショコラノアール~運命の恋~
熱が下がった俺は、
その日の夕方には退院した。

肺炎という事態を免れた俺は、
しばらく家で安静をいいつかって、
無事アパートに戻って来る。

パン屋の配達用バンで、
大学から戻ってきた葉月ちゃんが送ってくれた。

「ここがなお君のアパートなんだね」

「あんま、ジロジロ見んなって。

片付けてないし、
見られちゃ困るものだってあるんだから」


「えー、いいじゃない。

一度男の子の部屋って入って見たかったんだあ。


男の子の部屋って興味深いんだもの」


「俺は普通な男じゃないから参考にならないよ」


「ふふ、じゃ、普通な男の子の部屋に行ったらどこが違うか比べてみよう!」


「あのなあ。


……でもありがとう。


葉月ちゃんのお陰で命繋いだよ」



「何回お礼言うのよ。


もう、耳にタコよ。

単に、偶然通りかかったのは、

私だったってだけだから。」



「うん。でも、ほんとにありがとう」


「なお君。

偶然も3回続くと運命って言葉きいたことある?」


「ああ、なんかの本で読んだことあるかも」


「私たちも何かそういうのあると思わない?


なおくん。

私ってなおくんの特別な存在だって思えない?


私じゃダメかな?

私たち付き合おうよ」







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