ショコラノアール~運命の恋~
ーーーー
「じゃ、また来るから。まだ無理しちゃ駄目だからね」
葉月ちゃんはスニーカーの爪先をトントンと音をさせながら振り返りながら、
まるで子供にそうするように諭した。
「ありがとう。
おとうさんによろしく」
「うん。おやすみ」
クスクスッと小さく笑い声を落として、
彼女は部屋を出ていった。
パタリと閉まったドア
足音一つ聞こえなくなって、
静寂が広がっているのを確認して
ホウッ
と息を吐いた。
彼女がいる間、なんだか遠慮がちに呼吸していたのか、
妙に息苦しかった。
さっき……
葉月ちゃんが言ってくれた言葉に、
何も答えることが出来なくて、
俺は、押し黙ってしまったままで、
それに対して、
彼女の方がしびれを切らした。
「なーんてね!
冗談、冗談っ
なおくん弱ってるから元気出してもらいたくって言った冗談なのに~
笑い飛ばしてくれなきゃ、私の立場ないじゃん。」
「あ、そっか……ごめん」
「特別な存在ってのはまんざら間違いじゃないとは思うけどさー。
付き合うとかありえないよねえ?
そう思うでしょ?
だって私たち親友だもんね」
そう、言って笑ってから、
今日会った大学での話とか、
パン屋に来たふざけた客のはなしとか、
ハイテンションでマシンガンのように話続けた。
恋愛遍歴ない俺でも、
あれが冗談じゃないことぐらい、
分かる。
そしてそれを払拭するためにわざと元気を装っているのも。
「じゃ、また来るから。まだ無理しちゃ駄目だからね」
葉月ちゃんはスニーカーの爪先をトントンと音をさせながら振り返りながら、
まるで子供にそうするように諭した。
「ありがとう。
おとうさんによろしく」
「うん。おやすみ」
クスクスッと小さく笑い声を落として、
彼女は部屋を出ていった。
パタリと閉まったドア
足音一つ聞こえなくなって、
静寂が広がっているのを確認して
ホウッ
と息を吐いた。
彼女がいる間、なんだか遠慮がちに呼吸していたのか、
妙に息苦しかった。
さっき……
葉月ちゃんが言ってくれた言葉に、
何も答えることが出来なくて、
俺は、押し黙ってしまったままで、
それに対して、
彼女の方がしびれを切らした。
「なーんてね!
冗談、冗談っ
なおくん弱ってるから元気出してもらいたくって言った冗談なのに~
笑い飛ばしてくれなきゃ、私の立場ないじゃん。」
「あ、そっか……ごめん」
「特別な存在ってのはまんざら間違いじゃないとは思うけどさー。
付き合うとかありえないよねえ?
そう思うでしょ?
だって私たち親友だもんね」
そう、言って笑ってから、
今日会った大学での話とか、
パン屋に来たふざけた客のはなしとか、
ハイテンションでマシンガンのように話続けた。
恋愛遍歴ない俺でも、
あれが冗談じゃないことぐらい、
分かる。
そしてそれを払拭するためにわざと元気を装っているのも。