ショコラノアール~運命の恋~
少しイメージが変わってるけど、
間違いなく私の前から恋人と共に去っていったママだった。
「しのちゃん、大きくなったね。
二十歳のお誕生日おめでとう。」
「ママ……」
困ったように見上げてる私の肩を、
パパは優しく抱いてくれた。
「パパこれって?」
「サプライズにしようとしたのは一寸失敗だったな。
もう少しで、タイムオーバーだったよ。
詩信?
まさか忘れてた?」
パパが困ったような口調で頭を掻いた。
「忘れてたっていうか……
みんなで待っててくれるなんて想像もしてなかった」
正直、忘れざるを得なかった。
ここのところ色々あったし、
パパこそ忘れてたみたいに思えてたから、
みんなでわたしの誕生日を祝うために待っていてくれたなんて思いもしなかった。
わたしは仕事が終わってから、
なお君のところに行ってた。
行方不明だったから、
みんなずっと待ちぼうけで、
って、携帯は?
バックを探って開いたけど、
沈黙するように、開かなかった。
「電源切れてる」
「さあさあ、座って座って、
私と吾郎の腕によりをかけた料理。
あー、
冷めちゃったかあ、温め直すね
だからサプライズなんてやめようって言ったのに
……ブツブツ」
お姉ちゃんがいつもと変わらない様子で、
料理を持ってキッチンに向かう。
まだ、今の状況が信じられなくて動けずにいる私を
テーブルに着かせたのは陽君で、
イスに座る私の頭をぎゅっとつかむと、
「おめでとう詩信」
耳元で囁いた。
夢なんじゃない?
椅子に着いたもののまだ現実感がない。
間違いなく私の前から恋人と共に去っていったママだった。
「しのちゃん、大きくなったね。
二十歳のお誕生日おめでとう。」
「ママ……」
困ったように見上げてる私の肩を、
パパは優しく抱いてくれた。
「パパこれって?」
「サプライズにしようとしたのは一寸失敗だったな。
もう少しで、タイムオーバーだったよ。
詩信?
まさか忘れてた?」
パパが困ったような口調で頭を掻いた。
「忘れてたっていうか……
みんなで待っててくれるなんて想像もしてなかった」
正直、忘れざるを得なかった。
ここのところ色々あったし、
パパこそ忘れてたみたいに思えてたから、
みんなでわたしの誕生日を祝うために待っていてくれたなんて思いもしなかった。
わたしは仕事が終わってから、
なお君のところに行ってた。
行方不明だったから、
みんなずっと待ちぼうけで、
って、携帯は?
バックを探って開いたけど、
沈黙するように、開かなかった。
「電源切れてる」
「さあさあ、座って座って、
私と吾郎の腕によりをかけた料理。
あー、
冷めちゃったかあ、温め直すね
だからサプライズなんてやめようって言ったのに
……ブツブツ」
お姉ちゃんがいつもと変わらない様子で、
料理を持ってキッチンに向かう。
まだ、今の状況が信じられなくて動けずにいる私を
テーブルに着かせたのは陽君で、
イスに座る私の頭をぎゅっとつかむと、
「おめでとう詩信」
耳元で囁いた。
夢なんじゃない?
椅子に着いたもののまだ現実感がない。