ショコラノアール~運命の恋~
就職して半年、付き合って2年たったある日、

泣きじゃくりながらパパの部屋を訪れた彼女は、

ある人と一緒だった。


酒井信彦さんだった。


二人は愛し合っていて、別れてくれと懇願する。

ずっと支えてきた親友と、

愛してきた恋人の突然の裏切りだった。

しかも酒井さんには妻も子どももいるのに。


病気によって失った子供を作る機能の為、
結婚に踏み切れずにいた事は彼女も理解してくれていたと思っていたが、


言葉にしなかった事が不安にさせていたことをこと時知った。

詩月さんは、ずっと泣きながら、謝るばかり。

けれど、許すという言葉を掛けられるほどお人好しにもなれず、

無言のまま、拒絶したのだった。


パパはこの日、一瞬で恋人と親友を失った。


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