ショコラノアール~運命の恋~
張り巡らされた線路図をなぞるように、

今までの自分の思い込んでいたことと、

事実との答え合わせをしていた。

お姉ちゃんが言ったみたいに、
自分だけが不幸みたいな、
独りよがりだったところや、
思い込みで悲観してたことが多かったのかな。

実際
幸せなこともたくさんあったし、楽しい思い出もたくさんあった。
 
ママだって、あの日まで私をずっと大切に育ててくれた。
ブラウニーの作り方を教えてくれたのもママだった。

今、仕事にしているケーキを選んだのも、

ママが残してぐれた温もりを忘れたくなくて、

作り続けた結果だと思う。

パパ、パパはいつだって私の味方だった。

お姉ちゃんが言ってたみたいに溺愛されてたのかも。


お姉ちゃんだって口調はきついけど、
体調をくずす私を看病してくれた。

私は家族が大好きだった。

だからこそ、

住民票で真実を知ってショックだったのだ。


なあんだ、そうか、
みんながちょっとずつ不安な気持ちだったから、ちょっとずつ言えない気持ちを溜め込んで、

ほんとの気持ちがみえなくなっちゃったんだ。









< 264 / 338 >

この作品をシェア

pagetop