ショコラノアール~運命の恋~
学生時代、


マークシートの回答欄が1つずれてしまって

気がつくまでずっと進んでから、

回答欄が合わないことに気付いたことがある。


一体どこまでが正しい答だったのか、

何処からずれてしまったのか判らなくなって

時間がかかるばっかで、

自分で導いた答を疑わなくてはならない作業は、

焦りと不安で惨憺たる結果だった。


それでもやり直さないよりきっと良かったんだと思う。


わたしたち家族の答え合わせは、

マークシートとは違う。


それぞれが生きて、成長して、時間をかけて、

悩んだからこそ今があるのだと思う。


「お姉ちゃんおめでとう」

もうすでにそこにはいないお姉ちゃんに向けて言葉を贈った。


私に対して投げられてたお姉ちゃんの言葉は、

本当の家族としての遠慮ない言葉だったって判ったら、

一人自分だけが部外者で邪魔者っていじけてたんだって気がついた。


そうだったんだね。


私たちは初めから家族だった、

パパは私たちを愛してくれてる揺るぎない事実。


いつか手離すとき、

その日が来ると知りながら、

わたしたちを愛し育ててくれた。


パパ……


私たちは心からあなたの娘でいられたことに感謝しています。



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