ショコラノアール~運命の恋~
陽君からの電話のあと、

段ボールに詰め込まれた荷物を効率よく片付けた。


別に遠くに引っ越したわけじゃないから、

いくつかの収納用のボックスと、

段ポール6つ。


あっという間に終わった。

可動式ポールにスーツやコートを掛けながら、ブラッシングする。

カサリッ


小さな紙切れがポケットから落ちた。


「なんだっけ」


拾い上げてどきりとする。


捨て忘れていたメモ。


「そ……っか」


忘れていた訳じゃない、


忘れたふりして心にに蓋をしていただけ。








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