ショコラノアール~運命の恋~
「お前さあ、バイトやめたんだって?」

「ああ、うん。

何で知ってんの?」


「この間、社長からどうしても人が足らないって電話もらってさ、

おれ、お前がいると思って言ったらやめた後だったからさ、

すげーびっくりした。


身体壊したんだって?もういいのか?」



「肺炎までは行かなかったんだけど、

一寸こじらせちゃったんだ。


もういいんだけど、

さすがに迷惑かけちゃったから、行きにくくて、

他のバイトの宛てもあったからやめたんだ」



「へえ、そうなのか、

お前ずいぶんかわいがられてたんだから、

戻れば歓迎されたんじゃないのか?」


そうかもしれない、

でも何となくあの場所に戻れなかった。



彼女と繋がるすべてのものから逃げてしまいたくて、

俺はとことん情けない生きものだと思う。





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