ショコラノアール~運命の恋~
「夏尾シェフの片鱗を感じさせられたよ。
まだまだ、色々浅いけどね。」
「ありがとうございます。」
忘れてた。
憧れて押し掛けて雇ってもらった私だけど、
夏尾店長は、一世を風靡したこの業界では有名な人だったってこと。
「あの、夏尾シェフとは、お知り合いなのでしょうか?」
「君はまだ若いから知らないのかもしれないけど、
駆け出しのころ、彼はあのルックスで抜群のセンス、
マスコミでもかなり取り上げられて華やかな過去を持っているからね。
まあ、バブルの頃の話だよ
小さな店のパティシエなんて勿体ない気もするけど、
だけど、何が幸せなんて本人にしか分からないものだからね。
彼は目先のことしか見えないさっきの輩のようなやつらに辟易として、
地元に帰って今の店を出したのさ。
君のようなかわいい弟子と、
好きなケーキを作ることが今の彼の幸せなんだろうな。」
「何となくは聞いてます。
今でも、厳しくて、優しくて素敵な人です。
あの方を師としてもてることには感謝しています。」
「そう。ならよかった。
ああ、忘れていたね。
私は業会誌パティシエールの編集長、
芳賀清彦だよ。
またどこかで会うことがあるかもしれないね。
まあ、頑張りなさい」
「あ、ありがとうございます。」
まだまだ、色々浅いけどね。」
「ありがとうございます。」
忘れてた。
憧れて押し掛けて雇ってもらった私だけど、
夏尾店長は、一世を風靡したこの業界では有名な人だったってこと。
「あの、夏尾シェフとは、お知り合いなのでしょうか?」
「君はまだ若いから知らないのかもしれないけど、
駆け出しのころ、彼はあのルックスで抜群のセンス、
マスコミでもかなり取り上げられて華やかな過去を持っているからね。
まあ、バブルの頃の話だよ
小さな店のパティシエなんて勿体ない気もするけど、
だけど、何が幸せなんて本人にしか分からないものだからね。
彼は目先のことしか見えないさっきの輩のようなやつらに辟易として、
地元に帰って今の店を出したのさ。
君のようなかわいい弟子と、
好きなケーキを作ることが今の彼の幸せなんだろうな。」
「何となくは聞いてます。
今でも、厳しくて、優しくて素敵な人です。
あの方を師としてもてることには感謝しています。」
「そう。ならよかった。
ああ、忘れていたね。
私は業会誌パティシエールの編集長、
芳賀清彦だよ。
またどこかで会うことがあるかもしれないね。
まあ、頑張りなさい」
「あ、ありがとうございます。」