ショコラノアール~運命の恋~
「あ。そうだ駅前のTATUYAにCD返すんだった」


「はあ?じゃあTATUYAまででいいよな?」

「ええっそんな返したらその後俺に雨にぬれて帰れと?」

「天気予報では午後は晴れるってさ、カフェでレポートでもやってけよ」

「いけずっ宮のいけずっ」

「はいはい」

「ちっ、分かったよ正直この小さな傘に男二人は無理があるしな。

 じゃあさ、バイトの時間何時?


 教えろよ。

 それくらいはいいだろ?

 お前がバイトに入る時間は必ず顔出すだろ?葉月さん。

 ……分かってるけどさ、会うぐらいいいじゃん?

 お前のどこがいいのかね?

 ヘタレだし、粘着だしなあ」


「ひどい云い様だな。


 いっとくけど、葉月ちゃんは俺とは何でもないから、

 友人ってだけだよ」


「いいから時間教えろって」


「2時。くんなよな」


「ははっ」


早瀬はけらけらと笑いながら俺の傘から飛び出し、

駅向こうのTATUYAに向かって走り出した。


いつの間にか雨は小ぶりになっていた。




アイツの中で来ることは決定しているんだろう。


だけど、今葉月ちゃんは忙しいのに……

まあ、俺がどうこう言える立場じゃないから。


正直うざいけど、いいやつには違いない。


葉月ちゃんと早瀬と上手く行ったらいいとも思うからな。




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