ショコラノアール~運命の恋~
がくん。
『お客様に連絡します。
ただいま集中豪雨のため、
----駅の手前の河が氾濫しており、
安全確認のため一時的に停車しております。
確認が終わるまで暫くお待ちください』
あと少しで到着駅だと言うのに、
途中停車。
普段ろくに流れていない河なのに、
そんなことあるんだろうか。
背伸びをして車両の先を眺めても、
何も見えるはずもなく、
諦めた座席に座りなおした。
なんだか上手くいかないあ。
0からやり直して、
人に頼らない自分になるとか言っといて、
結局何してるか自分ですら判ってないよね。
『安全が確認できましたので出発いたします。』
ピルルルルゥ-------
再び動き出した電車の窓から、
動き出した風景をまたぼんやり眺めながら、
手に持った荷物をぎゅっと握りしめた。