ショコラノアール~運命の恋~
西さんに何度も電話したが、留守番サービスになってしまう。


盛り上がってるから出ないのかな。

近いし行って謝ろう。


「お客様、あと少しで
オーダーストップになります。」

急いで会場の洋食屋さんに向かったけど、

間に合うはずは無く、

「営業時間内のご案内になりますがよろしいですか?」


「あの、あの、

ここで合コンがあったはずなんですけど?」


「あ、ええ確かに、


30分程前でしょうか、

 解散されましたよ」


そうだよね。

時間が時間だ、

待っててくれるわけないか。


「すみません。ありがとうございました。」


お礼を言って帰ろうとすると、


「あの」

呼びとめられた。



「一人やはり、事情で遅れてきた方が、

 中でお食事されてますが、

お会いになりますか?」


「その人は男の方?」


「そうです」


「なら、御遠慮します」

初対面で遅刻した者同士仲良くしましょ、

なんて言えるわけない。


丁重にお断りして、

家路に着く。


後で西さんには謝ればいいや。


今日はとにかく気分がいい!


ゆうしん君の顔を思い出して、

じんわりとうれしさをかみしめる。





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