ショコラノアール~運命の恋~
その後、

ドキドキしすぎて上手く話せたのか覚えていない。

手には、ケーキの箱。


『必ず感想聞かせてくださいね』

と念押しされた。


彼女はパティシエ見習い中。

この春専門学校を卒業したらしい。

なんでも、もうすぐコンテストがありそれに出品するため

色々試作しているらしい。

そんな貴重なものをタダでもらってしまって、

いいのだろうか。


彼女とつながりができたことは本気で嬉しいけど、


「どうすっかな」

ケーキの感想とか荷が重い。


俺にとってケーキなんてチーズケーキかイチゴショートとかぐらいしか判別できないほど、

甘いもの音痴だからだ。

但し、

チョコに関しては色々食べ比べたから、

ちょっとうるさい、

それだってあの日偶然手にしたチョコのおかげであり、

もともとはそんな得意じゃなかった、もしもう一度彼女に会った時のためにと、

無理して食べまくった。


あの日のチョコは、

ブラウニーと呼ばれているアメリカのカントリースタイルのチョコ菓子で、

中に入れられるものによって、

味は変わるらしい。


あの時のチョコに味を探している俺はもう嫌って言うほどいろんなブラウニーを食べている。

もはやブラウニーに関してはかなり詳しい。


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