ショコラノアール~運命の恋~
「だから、なのかな……」

ちらりと意味深な視線を投げて、

クスッと笑う。


「え?」

なんだなんだ……?

こういうシュチュエーション

今まで体験したことないもてない男代表、

もしかしてもしかするかと身構えるぜ。



「この間あなたがつぶやいてた

 男純情に、

 心が動いちゃったのかも」


「うぇっ?

 それはもう忘れて」


「だめですよ。聞いちゃったんですから。

 けど、

 誰にも言いません。

 秘密にしてあげますから。

 だから、


 その……」



「?」



「教えてくれません?その男の純情がなんなのか」


「だめです。内緒です」

冗談だろ?

言えるかよ、見ず知らずの人に、

って……


「……」


「えっと」


「……」


うるんだ目で、

卑怯だろって、

ああっ

もうっ


「判りました。

ちょっとだけですよ」


「ふふっお願いします」


女慣れしてないからこういう時どうリアクションしていいかわからないってんで、俺の負け戦。






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