ショコラノアール~運命の恋~
こんな風に俺の話をまっすぐ聞いて、

無条件に応援してくれる人っていただろうか?


「あのさ」


「ああごめんなさい

 私1人ではしゃいじゃって」


「あのさ、ありがとう。


 こんな風に話せる人って初めてだよ。


 誰に話したって笑い話にしかされなかったから。


 なんか、いいね、

 話聞いてもらえるってさ」



彼女はくすりと笑って、

 掌で自分の唇を撫でた。


「さっきもいったけど、わたし、勉強ばっかしてたから、

 じっくり付き合った友だちもいなくて、

 恋バナとかしたことなくって、

 すごくうれしかった。


 無理言って話させたから

そう言ってもらえるとホッとするな。


 ねえ、


 私たち友達になりませんか?」


「は?」


俺は一瞬固まった。


彼女の笑顔を見て、

差し出された手に

自然と手重ねた。












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