ショコラノアール~運命の恋~
無意味に巡る、

もしも思考の糸口は見つかることもなく、

グルグルグルと回るばかりだ。


それもそのはず俺は完全に舞い上がってるんだから。


もう一度パンと頬を叩いて、

いつの間にか座り込んでいたバス停のベンチから立ち上がった。


歩きだすと、


目の前に側溝に固まったごみをつつく黒い生きものが、


カラスだ!


俺はそいつに向かい駆け出した。


「おいカラス!教えてくれよ!

 彼女は何処にいんだよ!」


カラスは俺に向かって、


「あほぉー!」


となくとバササッと飛びあがった。


「おいっってば!」


あざ笑うかのように街路樹の上にとまり

俺に向かって鳴いた。


カラスは食事を邪魔されて、

いら立っているように俺に何度も泣き続けた。


アホォアホォッアホォッ


ほんとに阿呆だな。


同じカラスじゃないだろうに、

それに話せるわけないだろうが。


卑屈に自分に突っ込んだ。


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