ショコラノアール~運命の恋~
クローズ作業をして、

店長に挨拶をして先に店の裏口から出て、

公園下のバス停で立つ。


ふと2年前のこの日を思いだす。

この手に残ったチョコレート、

そういえばあれ

結局どうなっちゃたんだろう。


カラスってチョコ食べられるのかな。


雑食って話だし、

食べたんだろうか。


初めての味に驚いているカラスを想像し、

くすりと笑ってしまう。


「あ~あ、

 恋したいな」



あれ以来、恋とかそんな感情が動くことは無かった。


恋することに憶病になってしまったのかもしれない。


けれど、


恋したいと思う気持ちは別物。


どこかに私の王子様がいるのだと、

そんな想いは簡単には捨てられない。
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