ショコラノアール~運命の恋~
「こんにちわ」


「いらっしゃい」


居酒屋 楡(にれ)

ボックス席が二つとカウンター席8席しかない

小さな居酒屋だ。


何故かもてない男ばかり集まり、

愚痴を聞いてもらうことだけを楽しみに通ってくる常連ばかり。

ここは、

『自分のダメさもまだまだだな。』


そう安心できる癒しの場だ。

「ほい。これサービス」

付きだしの小鉢といっしょに置かれた、

チョコレート。

「げ、しゃれになんないすよ。」


「何?要らんの?俺の奥さんの常連さんへの感謝の気持ちを」


「あ、イヤイヤ、なら貰います!」


「は?ならってどういう意味?」


「今日唯一貰ったチョコが楡さんからって悲し過ぎると思って」


「はあ?イヤなら」


「イヤ、奥さんからの愛はいただきたい!」


「なんか、そう言われると惜しくなった」






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