ショコラノアール~運命の恋~
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後ろ髪引かれる。

ついてない。あの時カフェなんかいかなきゃ良かった。

「何?知り合い?」

「うるさいなぁ、 陽くんには関係ないでしょ?」

「まあ、そうだけど、俺おじゃま虫?」

「だからうるさいって、
 話あるんでしょ?さっさとして。」 


「はぁ?お前変わったなあ、性格悪すぎ。
 よく言われない?」


「別に、陽くん限定たから」

「不機嫌だなあ、久々の再会なのに」


「再会したくてしたわけじゃあないもの早く要件言いなさいよ。

 私は暇じゃないんだから」


「さっきまで暇そうにしてたくせに。

 そうか、さっきの彼に勘違いされたくないんだ?」


「な、な、な、何を言ってるのかな?」


「へえ、図星か?詩信ってああいうの好みなんだ。へえ、意外ー」


「うるさいわね、言わないなら帰るから」


「ああ、悪い久しぶりにあって、

 ついからかっちゃたんだよ、ごめんごめん。」


はあ、調子狂う。


この人こんな素直だったっけ?


私が知ってるのは中学生まで。

ジャイアンみたいな性格で、私はいつものび太みたいに、

言い様に使われてた。


けど、このイケ顔だから人気もので、

一緒にいたお陰でこいつから以外は私を苛めたりってことはなかった。


ママがあんな風に出ていってから、

精神的に弱かったから

回りからのちょっとした刺激に過敏に反応してしまって、

まさにいじめの対象になって、

でもその度に、「こいつをいじめていいのは俺だけだ」って、

かばってくれた。


まあ、今思えば所有物を守ってたにすぎないかもしれないけど、

ある意味感謝してたんだ。


こいつはひそひそと声をひそめる。


「実はさ……

 な、立ち話じゃちょっとなんで、

 どっかで座らない?」


確かに、コンビニの前で立ち話って、

恥ずかしい。


時間ももう10時を過ぎて人通りも増えた。


さっきから、ちらちらした視線も感じるし、

なんせここは職場から半径5M離れてない場所だし。


「あ、そうだ、いいとこ知ってるよ」
















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