YUMERI〜女のコにはユメとキボウがあるのだ!〜
りおは興奮していた。
「あの写真見た?」
「…うん。転送されてきた」
涼子は意味もなく教科書をめくった。
「私もさ、写真転送されてきたし、問題のブログ見たし…。『仲いいから付き合ってるの知ってたんでしょ?』とかばっかりメール来てさ…」
「さっき自転車置場で希望梨ちゃんと一緒になったんだけどね、その話題には触れなかった」
「えっ、何で?」
「私達にも言わないんだからまだ言いたくなかったんだろうし…。親友でもプライバシーは尊重しないと」
「でも気になる!私希望梨の教室行ってくる」
りおがそう言った時、
あぁ無情なのか幸運なのか予鈴が鳴った。
「ヤダなぁ、自分の教室行かなきゃ…。ね、昼休みに希望梨んとこ行こ!」
りおの発言に、涼子は曖昧なうなずきをした。
遠ざかっていく友を見ながら、自分が教科書をキツく握りしめている事に気付いた。
「……」
教科書を机に置いて、色々考えた。
本鈴が鳴り、思考は中断された。
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