YUMERI〜女のコにはユメとキボウがあるのだ!〜
緊張。
緊張。
そして緊張。
周りのテーブルは賑やかなのに、そのテーブルは氷がぶつかる音と、控え目にストローでジュースを飲む音しかしなかった。
「桜井さんのお父さんて作家なんだよね?」
今自分がどこにいるか忘れかけた時、声をかけられた。
「はっ、はい!」
先生に声をかけられた学生そのものだった。
伊坂は苦笑しながら、
「田吾郎さんていうのはペンネームだよね?」
と言った。
父さん…
今日の空は眩しい位に碧いです。
一瞬違う世界に飛んでから、
「…ううん、本名…」
うつむいて、希望梨は答えた。
頬が赤らむのが自分でも分かる。
「えっ、あっ、あの、ゴメンッ!」
伊坂はかなり動揺した。
「ううん、いいの。珍しい名前だから。まさか本名と思わないよね」
不思議と落ち着いて来た。
「へぇ…」
「だから、私の名前も珍しいでしょ?稔によく…」
そこまで言って口をつぐんだ。
なんで稔の話題をしなきゃならないんだ。
「よくからかわれたんだろ?」
「うん」
「俺は、個性的で可愛い名前だと思う」
伊坂はまっすぐ希望梨を見ていた。
ジュースの氷がカランと音をたてた。
緊張。
そして緊張。
周りのテーブルは賑やかなのに、そのテーブルは氷がぶつかる音と、控え目にストローでジュースを飲む音しかしなかった。
「桜井さんのお父さんて作家なんだよね?」
今自分がどこにいるか忘れかけた時、声をかけられた。
「はっ、はい!」
先生に声をかけられた学生そのものだった。
伊坂は苦笑しながら、
「田吾郎さんていうのはペンネームだよね?」
と言った。
父さん…
今日の空は眩しい位に碧いです。
一瞬違う世界に飛んでから、
「…ううん、本名…」
うつむいて、希望梨は答えた。
頬が赤らむのが自分でも分かる。
「えっ、あっ、あの、ゴメンッ!」
伊坂はかなり動揺した。
「ううん、いいの。珍しい名前だから。まさか本名と思わないよね」
不思議と落ち着いて来た。
「へぇ…」
「だから、私の名前も珍しいでしょ?稔によく…」
そこまで言って口をつぐんだ。
なんで稔の話題をしなきゃならないんだ。
「よくからかわれたんだろ?」
「うん」
「俺は、個性的で可愛い名前だと思う」
伊坂はまっすぐ希望梨を見ていた。
ジュースの氷がカランと音をたてた。