ふわり、さらり
「あの頃も今も甘えてんだ、君に」
今でも恋愛感情ってのはわからない、と。
彼は俯いて呟いた。
泣きたくない、
気づかれないようにそっと小さく息を吐く。
こんな時でも
君が好きだとか
傍にいてほしいとか
口先だけの言葉を言わない彼を彼らしいと思う。
彼が私を必要としてくれているのは嬉しい、
それが恋愛感情でなくても。
二年経って色褪せてもしこりが残っているのを、改めて自覚した。
─だから。