ふわり、さらり

それから




「みお、これはどう?」

「え~やだやだこれが良い!」



まいった、普段駄々をこねる子ではないのだけれど。



「お父さん、この色好きだもん!これが良いの!」



今日は父の日のプレゼントを選びに来ている。

自分のでなく人へのプレゼントで駄々をこねる優しい性格は、きっとあの人に似たのだろう。



「わかった、それにしようか」



結構値をはるものだけど、この子が選んだものならあの人も喜ぶはずだ。



「やった~!お母さんありがとう」

「みおはお父さん似ね、その優しい性格は」

「えへへ、でも顔はお母さん似だよ!」



まだ4歳なのに口は達者だ。


脇にあるベンチで待つように言って、私はレジの列にならんだ。








< 15 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop