笑わないオトコ【短】
「主任、痛いですってば!!」
思いきり、手首を掴み歩く徹に結衣は、ちょっとだけ声を張り上げた。
「あ、すまない……」
「もう…。どうしたんですか」
素直に謝る徹に、結衣は少し戸惑った。
「どうしたって…。お前だって、どうしたんだ」
「はい…?なにが、ですか」
「なにが、って…。あんなオトコに警戒もせず、アドレスを教えようとしてただろ」
「しょうがないじゃないですか。意中の人は、わたしなんかに興味ないみたいですし?」
結衣の言葉に、徹は何も返せずにいた。
意中の人が、自分だと分かったからだ。
「わたしだって、3ヶ月頑張りました。それでも脈ゼロですもん。それより、今日なんてみんなの前で、あんな怒り方されて、もう完全ないなって思い知らされましたから」
「……」
「理由、聞けて満足しましたか?じゃぁ、わたし帰りますので。お疲れ様でした」
結衣が徹の前を、横切った。
これで、いいのか…?
彼女はずっと自分に、好意を寄せてくれていた。
それなのに、これでいいのか…?
真也に取られるかもしれないんだぞ。
徹の心に、色んな感情が溢れ出す。
だけど、答えが出る前に体が勝手に動いていた。
思いきり、手首を掴み歩く徹に結衣は、ちょっとだけ声を張り上げた。
「あ、すまない……」
「もう…。どうしたんですか」
素直に謝る徹に、結衣は少し戸惑った。
「どうしたって…。お前だって、どうしたんだ」
「はい…?なにが、ですか」
「なにが、って…。あんなオトコに警戒もせず、アドレスを教えようとしてただろ」
「しょうがないじゃないですか。意中の人は、わたしなんかに興味ないみたいですし?」
結衣の言葉に、徹は何も返せずにいた。
意中の人が、自分だと分かったからだ。
「わたしだって、3ヶ月頑張りました。それでも脈ゼロですもん。それより、今日なんてみんなの前で、あんな怒り方されて、もう完全ないなって思い知らされましたから」
「……」
「理由、聞けて満足しましたか?じゃぁ、わたし帰りますので。お疲れ様でした」
結衣が徹の前を、横切った。
これで、いいのか…?
彼女はずっと自分に、好意を寄せてくれていた。
それなのに、これでいいのか…?
真也に取られるかもしれないんだぞ。
徹の心に、色んな感情が溢れ出す。
だけど、答えが出る前に体が勝手に動いていた。