私の心を彩る君


せっかく高校からは頑張ると決めたのに台無しだと思い、ため息をつく。


「ごめん、大丈夫だったか?」



ぶつかった相手に声をかけられ、顔を上げた私はそのまましばらく固まってしまった



すらっとした身体、低くて心地よい声、ダークブラウンの髪の毛、そして同じ色の瞳。アーモンド型の目は優しい雰囲気をさらに柔らかくさせている。


今まで出会った中で1番のイケメンさんだと断言できるだろう。




「どうした?痛かったか?」



はっ!



「あ、いえ、全然大丈夫です。」



見とれすぎてしまった。
あの瞳に、吸い込まれてしまう。




「そっか、よかった。悪かったなよそ見してて。」



「いえ。私もぼーっとしてて。」



あれ。よく見るとこの制服、星華高校の制服かな。



ってそんなこと考えてる場合ではなかった。



立ち上がって制服の汚れを落とす。



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