私の心を彩る君

─Gray─




それは、わたしが中学1年生の時。


11月に珍しく雪が降った日だった。









*****




誰かが、何かを叫んでる声が聞こえる。


女の人の、すごい高い声。


でも真っ暗でその人は見えない。


あ、違う、目をつぶってるから見えないんだ。


そして私はゆっくり目を開けた。


見えたものは白い天井と、私を見て泣きながら「海!海!よかった!」と叫ぶ女の人。


左手には管が通っている。


「海!目を覚ましたのね!今、先生を呼ぶからね!」


その人はまだ興奮気味なのか、大きい声で一気に喋ってドアへ消えていってしまった。




ここは、多分病院だよね。


どうして病院なんかにいるんだっけ。


ズキッ。


「いっ。」


思い出そうとした途端にずつに襲われた。


何これ。何があったの。



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