それだけで、キセキ。
あなたがいれば、それだけで奇跡。
爽太が隣で眠っている。

起こしちゃうのがもったいないくらい、キレイな寝顔。

見ているだけで幸せ。



スースーと寝息を立てている姿には、どこかあどけなさを残していて、あまりのキュートさに頬が緩む。

抱き合っている時は、見つめられると動けなくなるくらい強烈なフェロモンを漂わせるくせに、何だか違う人みたい。

寝ぐせも、うっすら伸びたヒゲも、すべてが愛しくてたまらない。



出会ってからもうすぐ一年経つのに、会う度、爽太を好きになる。

優しくて、フワフワしていて、大らかで、そばにいると癒される。

マイペースで、天然で、ちょっと飽きっぽい所さえ、私にとっては可愛く思えてしまう。

普段はそんな風なのに、案外しっかりしているし、時折、頼もしい男らしさを見せたりもするから、爽太は私の心を掴んで離さない。



でも、好きになればなるほど、不安になる。

私に爽太は素敵過ぎるから。

何の取り柄もない六つも年上のオバさんが、こんな魅力的な男の子と釣り合うなんて、どうしても思えないから..........
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