それだけで、キセキ。
そう言われると、素直に嬉しい。

嬉し過ぎて泣いちゃいそう。

だって実は、裏で結構頑張ってるから。

爽太に嫌われたくなくて、本当は必死だから..........



ただでさえ、爽太は背が高くて、整った顔立ちで、誰が見てもルックスが良い男の子だから、至って普通の私なんかと釣り合わないんじゃないかと思う。

しかも、私たちの間には、六才もの年の差がある。

24才の若くてキラキラしている爽太を、いろんな所に衰えが見え始めた私が繋ぎ止めておくには、自分を磨くしかない。

そう思って、今まで頑張って来た。



日焼けが気になっては美白に夢中になり、小皺に焦っては保湿に気を配り、お肉が付き始めた腰回りにショックを受けてはダイエットに励み........

一つ一つの効果はよくわからないけど、バタバタしながら努力を重ね、一日の仕上げには、必ずお気に入りのボディジェルでケアをした。
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