あの夏のキミへ
「西田……?!!お前なんでここにい「あと2ヶ月ってどういうことですか？」

いろんなことを聞かれそうだったので、こっちから聞いてやった。

わたしは、田川の目が微かに見開かれたのを見逃しはしなかった。

その瞳には迷いのようなものを感じた。

この瞬間、蓮には転校どころではないもっと大きなものが隠されていることを悟った。

背中に冷や汗が伝う。

しばらくの沈黙が訪れる。

先生たちは黙ったまま動かない。

田川が掴んでいるコーヒーが冷め始め、立ち上る湯気はだんだんと薄れていく。

このまま永遠に沈黙が続くのではないかというくらい、長い長い沈黙。

なぜ先生たちは答えないの?!!

とうとう腫れを切らしたわたしは、もう一度言った。

「……蓮があと2ヶ月ってどういうことなんですか!!」
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