あの夏のキミへ
角を曲がってすぐのところにエレベーターがあった。

看護師さんが上のボタンを押す。

…………………。

なかなか来ない。

大病院だから混んでるのかな

しばらくするといつの間にかエレベーターの前には5人程が集まっていた。

20代ほどのお見舞いらしき女性、小学校低学年ほどの病院服の男の子、母親と手をつないでいる小さな女の子、点滴台をおした到底患者には見えない太ったおじさん。

みんながみんな、この病院に何らかの関係があって来てるんだよね…?

みんなも…わたしも………。

チンッ

小さな音が聞こえた気がした。

エレベーターの見つめてみると、ガーッと小音とともに扉が開いた。

みんな中に乗り込んだ。
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