あの夏のキミへ

「…ぅうぅぅ…ﾋｯｸ………ｸﾞｽｯ」

ナースステーションに響くわたしの嗚咽。

幸いここには他の患者さんたちはいない。

そのかわり看護師さんたちはさぞかし驚きの目を向けていることだろう。

でも、今はそんなことは関係ないんだ。

「…うぅっ、…れ…ん…ｸﾞｽｯ……っ！」

その時、ある言葉を思い出した。

"お前のその命、俺が欲しいんだけど。"

それは…出会ってばかりのころに蓮に言われた言葉だった。

その時はさっぱり意味がわかってなかったけど、まさかこんな意味が隠されてたなんて…