あの夏のキミへ
膝がガクガクし始め、終いには大泣きしながら床にへたり込んだ。

「うわぁぁぁっ……ふぇっ……グスッ…ぁぁぁっ」

もう殆どパニック状態で、自分への強い怒りしか湧いてこなくなった。

その怒りを込めて、白くてツルツルの床に自分の拳を打ち付けた。

ガッッッ!!!

「いっ………たぁ……ヒック……グスッ…ぁぁぁっ」

ジンジンと痛みが手に伝わってきた。

でもこの痛みより、蓮の心の傷の方がずっと痛いだろう。

そのとき、左腕にチクッという感覚を覚えた。

「ぇっ……ぁぁぁ…」

だんだん朦朧としてきて、ついにはわたしの意識はそこで途絶えた。
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