あの夏のキミへ
「…キレイだろ?」

「…ほんと……ほんとにキレイ…。」

視界に入るのは、満点の星空だけだ。

あまりのキレイさに、蓮が釘付けになるのもわかる気がした。

「あれ、一番光が強いだろ?」

空の真ん中で輝いている1つの星を指さす。

「…うん」

「あれはきっと一番星だよ。星っていうのは地球からの距離や、星自体の持っている温度によって光の強さがかわるんだぜ」

「…ふーん。……知らなかった…。」

蓮にはかなわない。

最初は必死になって抗ってた。

でも、自然と蓮の空気に吸いこまれちゃうの。

どーしてなんだろうね…

どうやら蓮にはわたしの強がりなポーカーフェイスは通用しないようだ。

「…あのね……」

ダメって思っても、抑えられない。

頭がそれを拒んでいても、口が勝手に動いてしまって…。








もう…止まらないの。
< 40 / 135 >

この作品をシェア

pagetop