あの夏のキミへ
「…わたし……両親が離婚して、お母さんは人が変わったみたいになっちゃうし……離婚を知った唯一の友達に裏切られて…」

「…うん。」

わたしのなにかを悟ったらしく、丁寧に相槌をうってくれる。

「離婚の話がクラス中に広められちゃったの。…いじめられるようにもなって…でもあの屋上だけがわたしの秘密の場所っていうか…っ」

全く意識もしてないのに、自然と涙が次から次へと流れ出る。

涙の雫がこめかみを伝い、ぽつりぽつりと砂浜を濡らしていく。

蓮は黙ってゆっくりと起き上がり、寝転んでいるわたしを包みこむように優しく抱きしめた。

「…よく、頑張ったな…」

その体は温かくて……

あぁ、わたしを認めてくれる人がいるんだって…

包んでくれる人がいるんだって…。

蓮のその甘い熱で












わたしの何もかもを溶かしてしまうの。

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