あの夏のキミへ
「でも海を見ると…何もかも、忘れちゃいそうだよ…」
蓮の背中に手をまわす。
「…今日……ここに来れてよかった……あり…がとっ」
ありがとうなんて、初めて言ったかもしれない。
実際いってみると、想像していたよりはるかに恥ずかしい言葉だったんだなって感じる。
蓮はやがてゆっくりと顔を上げる。
「ふっ、やっと言ってくれた。俺てっきり光は海が嫌いなのかと思ってた」
「えっ」
そりゃあ確かに、最初は嫌だった。
早く死なせてって思ってた。
でも、蓮やおばさんの優しい心に触れると、そうは思えなくなったんだよ。
やっぱり……またこうやって、すぐに誤解されてしまうんだ。
「そうだったの…?」
「ばーか、気持ちってのは、光が思ってる以上に言葉にしないと伝わらねーんだよ」
蓮の背中に手をまわす。
「…今日……ここに来れてよかった……あり…がとっ」
ありがとうなんて、初めて言ったかもしれない。
実際いってみると、想像していたよりはるかに恥ずかしい言葉だったんだなって感じる。
蓮はやがてゆっくりと顔を上げる。
「ふっ、やっと言ってくれた。俺てっきり光は海が嫌いなのかと思ってた」
「えっ」
そりゃあ確かに、最初は嫌だった。
早く死なせてって思ってた。
でも、蓮やおばさんの優しい心に触れると、そうは思えなくなったんだよ。
やっぱり……またこうやって、すぐに誤解されてしまうんだ。
「そうだったの…?」
「ばーか、気持ちってのは、光が思ってる以上に言葉にしないと伝わらねーんだよ」