あの夏のキミへ
「…蓮は、星好きなの…？」

「あぁ、好きだよ。っていうか、空のすべてが好きだな」

蓮の真っ黒い目が、頭上で輝いている星にも負けないくらいキラキラと光っている。

「…そうなんだ…」

そうなんだね、蓮って星が好きなんだ。

さっきのことはまだ気になってる。

でも、これはこれで蓮の新しい一面が見れたから…。

自然と頬が緩む。

それからわたしたちは星空の下、星の話をした。

と言ってもわたしは星のことなんてこれっぽっちも知らないから、話すのは蓮ばかりなんだけど。

でも星の話をしている蓮は、なんだか生き生きしてた。

星はどうやってできたのかや、星座に関する神話などを聞かせてくれた。

ところどころ専門的すぎて意味がわからないところはあったものの、とにかく蓮が星を好きなことがしっかりと伝わってきた。
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