あの夏のキミへ
鳥の鳴き声で目が覚める。

目を開けると、視界に入ってくるのは青色だけだ。

頭上には鳥が2匹飛んでいる。

…空だ。

今わたしの視界には空が映っているのだ。

ここはどこだろう？

まだ頭が完全に覚醒していなかったわたしは状況が呑み込めず、ゆっくりと体を起こした。

するとそこには空と同じ色をした、広い広い海があった。

太陽の光を反射して輝いている。

となると、空を飛んでいる鳥はカモメだろうか。

あぁ…昨日あのまま寝ちゃったのか……。

それと同時に昨日の出来事がフラッシュバックする。

隣を見ると、相変わらずキレイな蓮の寝顔。

…やっぱり昨日の出来事は夢じゃないんだ……。

なぜか嬉しい気持ちが込み上げてくる。

しかしその気持ちの反面、今日またいつもの世界に戻らなければならないという事実に落胆していた。
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