あの夏のキミへ
そうこうしているうちに、蓮は駅に向かって砂浜を歩き始めた。

「ま、待ってよ!」

わたしも急いで追いかける。

小道をまたいで駅の構内に入る。

するとほぼ同時に電車が止まったらしく、キーっという耳を掻きむしるような音が響いた。

わたしたちは慌てて弁当の空とラムネの瓶をゴミ箱に投げ入れ、切符を買って電車に乗り込んだ。

来た時と同じ、最後尾の車両に腰をおろした。
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