あの夏のキミへ
がたんごとんという音と共に過ぎ去る海を黙って見つめていると、蓮がふと口を開いた。

「キレイだったな」

相変わらず寂しそうな表情。

確かにわたしも寂しい。

でも蓮のあまりにも悲しすぎる表情を見ていると、まるで来るのが最後とでも思っているみたいで、必死に励ましの言葉を見つけた。

「ま…また来ればいいじゃない!受験生ってわけでもないんだし…来ようと思えばいつでも来れるって。」

「…ふっ」

「なんで笑うの!」

「…そうだな、…また来ればいいよな」

「…うん、………また。」

また、来ればいいんだ。












………また。
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