あの夏のキミへ
あれからついに海は見えなくなって、あの見たくもない若葉町の景色に切り替わる。

わたしと蓮の間に目立った会話はなく、若葉駅に着き、再びホームに降り立った。

あっちの駅とは違って人が多い。

蓮と2人きりだった世界から急に世界が変わると、人が多いことをわかっていても、酔ってしまいそうだ。

向こうとのあまりのギャップに戸惑ってしまう。

「もう少ししたら着くな」

「…うん」
< 61 / 135 >

この作品をシェア

pagetop