あの夏のキミへ
「なぁにー?声小さすぎて聞こえないんですけどぉ?」

そう言い放ち、倒れたまま起き上がれないわたしをバシバシと蹴り始める。

やめてやめてやめて!!!!!!!!!!

いくら心の中でも、痛むお腹からは声が出てこなくて…相手には、届かない。

散々蹴られ、叩かれ、殴られ…

もう意識が飛んでしまいそう…

そう思った時、わたしの熱を持った体に冷たい雫が落ちてきた。

最初は気のせいかと思ったのだから、次から次に、ポツリポツリと連続的に落ちだした。

………雨だ。

タイミングがいいんだか悪いんだか。

「ちょ、雨降り始めたんですけど。」

「せっかくいいとこだったのに、マジタイミング悪っ!」

「チッ。しょうがない、また今度相手してよぉーー?」

そう言い残し、キャハハハハハハッと笑いながら三人は急いで公園から出ていった。
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