桜*フレーバー
突然何を言い出すかと思ったら……。
真面目に相手するのもバカバカしい。
そう思ったあたしは怜央を放置して、中断していた作業を再開する。
マグカップをはじめ、茶碗、皿、グラスなど、実家から拝借したものや新しく買い揃えた食器類を棚に収納していく。
この春高校を卒業したばかりのあたし――島田麻衣(しまだまい)は、大学に程近いワンルームマンションで、今日から一人暮らしを始める。
そして怜央は朝から引越しの手伝いにきてくれているのだ。
「あ。信じてない?」
部屋の隅でテレビとブルーレイレコーダーをつなぎながら怜央が言う。
機械類の接続は彼にお任せしてる。
あたしはこういうのに弱いから、男手があって助かった。
信じるも何も、まだこのネタでひっぱるのか……と呆れたけれど。
手伝ってもらっているという負い目もあるので、しばらくこの悪ノリにつきあうことにした。
というか、怜央がどういうオチを用意しているのか、見届けたい気持ちもあったし。
「うーん。魔法使いねぇ……。魔法使い……といえばアレのことかな?」
真面目に相手するのもバカバカしい。
そう思ったあたしは怜央を放置して、中断していた作業を再開する。
マグカップをはじめ、茶碗、皿、グラスなど、実家から拝借したものや新しく買い揃えた食器類を棚に収納していく。
この春高校を卒業したばかりのあたし――島田麻衣(しまだまい)は、大学に程近いワンルームマンションで、今日から一人暮らしを始める。
そして怜央は朝から引越しの手伝いにきてくれているのだ。
「あ。信じてない?」
部屋の隅でテレビとブルーレイレコーダーをつなぎながら怜央が言う。
機械類の接続は彼にお任せしてる。
あたしはこういうのに弱いから、男手があって助かった。
信じるも何も、まだこのネタでひっぱるのか……と呆れたけれど。
手伝ってもらっているという負い目もあるので、しばらくこの悪ノリにつきあうことにした。
というか、怜央がどういうオチを用意しているのか、見届けたい気持ちもあったし。
「うーん。魔法使いねぇ……。魔法使い……といえばアレのことかな?」