桜*フレーバー
怜央はあたしの恋をそばでずっと見ていた。

太一に片思い中、あたしはたびたび怜央に恋の相談をしていた。


『怜央ってたしか、ラグビー部の西村君と同クラだよね?』

『そうだけど、なに?』

『いやっ、なんていうか……どういう人なのかなーって思って』

『……ひょっとして好きなの?』

『う……ん。実は、そうなんだ……。ね、怜央、協力してくれる?』


あの時怜央は、『いいよ』って短い返事をしてくれた。

もしもあの頃からあたしのことを好きでいてくれてたとしたら……怜央はあの時どんな気持ちでそう言ったんだろう……。

太一の彼女になれて……彼の誕生日プレゼントを選ぶのに、怜央につきあってもらったこともある。

惚気話だって、何度聞かせたことか。


自分がしてきたことを思い出し、虫唾が走る。


「どうしよう……。やっぱあたしは無神経だ……」


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