桜*フレーバー
――太一からLINEが届いたのは、深夜になってからだった。
【麻衣、ごめんな】
【あの子のこと、好きなの?】
【うん…多分】
ぎゅーって胸が押しつぶされそうなほど苦しくなった。
文字だけの短い会話はとても事務的で、今彼がどんな顔をしているのか、あたしには想像することもできなかった。
そしてあたしの絶望もきっと彼には届いていない。
スマホの画面に涙がポタポタと落ちる。
こんなのダメだよ。
そう感じてあたしは太一に電話をかけた。
「もしもし」
《……麻衣、ごめ……》
謝られる前にあたしは声を出す。
「LINEで終わらせようなんて思わないでよ。ねぇ、ちゃんと話そ?」
だって、四年半もつきあってたんだよ?
こんな短い文章だけで、断ち切らないでよ。