恋セヨ乙女
『あれ?莉乃先輩、おはようございます』
!!!
朝から登場した隼汰くん。
『莉乃先輩…足怪我ですか?』
え?
『保健室行きましょう』
私は隼汰くんに手を引かれた。
「あ、待って…担任に言ってくるから…」
『なら俺が言ってきますよ』
隼汰くんには迷惑かけてばかりだ。
『許可もらってきましたよ!』
「隼汰くん何でここに…?」
学年の違う隼汰くんが朝から
この階にいるのはおかしい。
『高田先輩に用事あってきたんです』
「え…それなら早く…」
『でも、後で大丈夫です。莉乃先輩の怪我の方が大事ですから』
なにそれ…。
「え?」
『いや、あ、用事よりも怪我人を放っておくのが俺のポリシーに反するだけです!』
び、びっくりした。
私だから助けてくれてるのかと
自惚れてしまうところだった。
「ありがとう、優しいね、隼汰くんは…」
『き、気にしないでください、行きましょう』
隼汰くんに引かれる手。
その手から伝わる熱に私は
どぎまぎしていた。